国会議員であっても男の育休をとると宣言した自民党の宮崎謙介衆院議員が、宣言から間を開けずに議員辞職した。理由は妻である自民党の金子恵美議員が出産のために入院している間に浮気をしたからということだ。
まさに「ゲスの極み」と言ってよい男だが、この急な議員辞職には驚いた。安倍首相が昨夜になって「こんなやつは切れ」と言ったからだそうだ。紛う事なき「トカゲのしっぽ切り」である。
最終的に宮崎氏が自分の決断で辞職したのなら、それはそれで勝手だが、このために京都では補欠選挙をやるという。税金の無駄遣いとも言えるかも知れない。
それにしても汚職をした甘利前特命大臣は大臣辞職だけで終わりになり、原発事故地域の除染基準「年間被ばく線量1ミリシーベルト」について「何の根拠もない」と発言し、撤回もしない丸山環境大臣もそのままであるのに、言ってしまえばプライベートの行動で議員を辞職させてしまう安倍氏の対応には、非常に違和感を感じざるを得ない。
もう一つ指摘すれば、宮崎、金子議員は議員としては夫婦別姓であり、宮崎氏の育休宣言には自民党内からかなりの批判があった。安倍政権は「一億総活躍社会」などとスローガンを掲げるが、実際には極端な女性差別主義である。こうした現在の自民党にとって宮崎氏がじゃまな存在であったという見方も出来るだろう。安倍氏のやり方は何重にも問題がある。
なお、ちなみに宮崎氏は昨年「『だって戦争に行きたくないじゃん』という 自分中心、極端な利己的考え」と戦争法案反対運動を誹謗し、金銭トラブルで自民党を離党した武藤貴也議員と同期だそうだ。自民党の候補者選定基準にもあらためて疑問を感じる。